フルトヴェングラー:交響曲第2番 1954.3.30 日本協会
2008年 01月 18日
シュトゥットガルト放送響
1954.3.30 ライブ
日本フルトヴェングラー協会
WFJ-951/2
まず、驚くほど音が良い。この音ならステレオでなくて十分。「フルトヴェングラーは音が悪い」と言う方にお薦めできる音質良好CDの内の1枚となるはず。
次に演奏。各テーマが各部分にぴったりと奏でられており、完成度はベルリン・フィルとの演奏以上に高い。
第1楽章展開部、第3楽章冒頭の主題の速度を増していく部分など、
ライブならではの感興も伝わってくる。
楽章間のインターバルもすべて収録。
音の良さと相まって、ブラームス的な地味な楽器使用ながら、ワーグナーの楽劇のような一大絵巻たる音響が再現されており、巨匠が意図したのは、このような音響効果であろうことが推測される。
ジョン・アードインは、「パズルのピースがすべてぴったりはまった」、「以前の演奏にはなかった。すべてがしっかりまとまった統一感のある演奏で、旋律的な下降音階の前後にその鏡像が現れるという、循環的な性質までもがはっきりと感じとれる」と述べている通りである(「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」)。
ベートーヴェン:交響曲第1番 当日ライブ
こちらも同じく音質最良。低域が雄弁。
晩年様式の落ち着きの中に、第4楽章など熱気と覇気がある。
協会には、このままの音での再刊行を願いたい(後からの入会者用として)。
(提供:M様)