フルトヴェングラーの同演異盤CDを探訪する


by Furtwanglercd
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「ローマの第5」 1952.1.10 KING

d0135647_1802057.jpgベートーヴェン:交響曲第5番
フルトヴェングラー
/ローマ・イタリア放送交響楽団

1952.1.10
ローマ RAIスタジオでの録音

KING(SEVENSEAS)
KICC-2346

全楽章、フルトヴェングラーの同曲演奏の中で最も遅い。
諸井誠氏曰く、「お世辞にも名演とは申せず、これはむしろ迷演の部類」。
アードインは、「興味を持てない演奏のひとつ、演奏全体も一度として輝く瞬間がない」
(「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」藤井留美訳)と酷評している。
そんなに悪い演奏か?
当CDの解説で黒田恭一氏は、
「クールな視点と明晰な思考がとりわけ前面に押し出された内容、醒めた表情の動き」
と述べている。
この点を別の視点から聴くと、諸井氏の次の結論になる。
「異常な「遅さ」のおかげで、この演奏からは、他の演奏にない細やかな情感のあじわいが感じられる。」
そう。客演ということもあり、タクトを1音1音明瞭に振り、しっかり演奏させていることを実感できる。よって巨匠の演奏の構築と骨組みが他の演奏よりも明瞭にわかるので、巨匠がオーケストラとの共同作業でこの作品を仕上げて行くその過程を垣間見ることのできる貴重な演奏である。

当CDは音も良い。楽音は豊かでふくよか。明るい光彩ある音色。各楽器及び高低の分離も良く、明瞭で鮮明な音。
この音にノイズリダクションをかければ、TAHRAのように音色のない音や、URANIAのようにキンキンとした金属的でのっぺりした聴くに耐えない音になることは明らか。
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by furtwanglercd | 2008-06-04 23:08 | Beethoven Sym.5