フルトヴェングラーの同演異盤CDを探訪する


by Furtwanglercd
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フルトヴェングラー RIAS録音集 AUDITE

フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
RIAS録音集

AUDITE

聴き所及び音質比較

・ベートーヴェン 「英雄」 1950.6.20
15:58 17:33 6:16 12:09
フルトヴェングラーの同曲演奏中最速の演奏。迫力と推進力、エネルギッシュなトゥッティは凄く、ウラニア盤に匹敵する。
AUDITE、タイム表記からすると第1楽章のピッチは低めか?流れがやや損なわれている。ワイドレンジ、ダイナミックレンジともに広く、空間の中での音を感じられる。TAHRA FURT-1030やM&Aのようなモコモコしたこもった音ではなく演奏の良さは感じられる。
RVC LP盤越し(M様作成)、R32C-1091は、柔らかくふくよかで厚みのある音で、ホールトーンも十分。各楽器の音も鮮度が良く、ティタニア・パラストでの音は乾いた音ではなく、柔らかで温かさい音だったことがわかる。

・ベートーヴェン 「英雄」 1952.12.8
1950年演奏よりも落ち着きがある。しかしエネルギーが減退したわけではない。円熟完熟の名演。
AUDITE、1950年演奏よりも音が良いのは、マスターテープの録音が良いのだろう。
このセットの中では1954年の「第5」、「田園」と並んで音が良い。
が、楽器の音は均質化している。
第1楽章655小節(15:45あたり)のTrpのミスの修正は未確認(確認された方がおられましたらご教示ください)。
RODOLPHE RPV-32801、音はふくよか。各楽器の音が良い。ホールトーンも申し分なく、会場にいるかのような音。

・ベートーヴェン Sym.5&「田園」 1947.5.25
AUDITE、エコーなし。元々の録音を聴きやすくするために、音をかなり削り込んだようで、音の輪郭が細くシャープ。Vnの音はドライ。
日本CETRA K33Y-193、軽度なステレオプレゼンス。丸みのあるふくよかな音。楽器の音も良い。

・ベートーヴェン Sym.5&「田園」 1954.5.23
巨匠の晩年様式の落ち着きの中に、燃えるような熱狂と勢い、エネルギッシュさがある。ダイナミクスの極大な大きさと彫の深さとも相まって、スケール大きな名演となっている。
AUDITE、マスターテープの音は良いのだろう。ダイナミクスレンジは広く、迫力がある。音色は均質化。
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-12、ハイクオリティ過ぎて、比較不可能。

・シューベルト 「未完成」 1948.10.24
この曲にこれほどのスケールが求められているかわかならいが、とにかく極大なスケールと、緩急強弱高低の一大コントラストがある。
AUDITE、マスクされたような音でこもっている。演奏の外縁しかわからない。
PALETTE PAL-1073、演奏のすべてが入りきっている。曇ったところ、マスクされたところのない迫真の音。

・シューベルト 「ザ・グレイト」 1953.9.15
演奏はすばらしい。全編、気力とエネルギーが漲り、ライブならではの覇気と活気に溢れている。
AUDITE、録音の良さがわかり、音は良い。すっきりしているが、やはり音が細く、高域は窮屈。伸びやかさに欠ける。
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-13/14、RVC R32C-1093だと、そのあたりも含め、演奏と音のすべてが再現されるのだが。

・ブラームス Sym.3 1949.12.18
気宇壮大。スケール極大。
AUDITE、一聴にはよいが、音は細く味気ない。ドライな音。
ELECTROLA CZS 25 2321 2、音はまったく悪くない。豊かさとふくよかさがあり、高域の伸びはすばらしく、低域は重厚明瞭で、不足なし。

・ブラームス Sym.3 1954.4.27
晩年様式、渋く落ち着いた中での美しさと迫力。
AUDITE、1949年演奏よりも音は格段に良い。録音の良さがわかる。
DG423572-2と比べると、1949年演奏と同じことが言える。

・ブラームス Sym.4 1948.10.24
AUDITE、こもった音で、マスクされており歯切れが悪く、暗い音。演奏はわかるが、楽器の音がしない。ノイズカットで楽音と空間を削ぎ落としている。

・ブルックナー Sym.8 1949.3.15
AUDITE、明瞭であるが、ドライな音。特に低域は音は響くが、楽器の音はない。
KING KICC-2352、厚みのある豊かな音。

今回のAUDITEは、TAHRA、M&Aなどよりは、センスの良いリマスターであろう。リーズナブルだし、演奏によっては、演奏に浸れるものもある。
しかしながら、価格相応で、従来のCDに比べ、音は悪い。
巨匠の演奏と音に通じている人には、良さも悪さもわかるようである。
リマスターの安直化、劣悪化で、巨匠とそのオーケストラの音が低められているようで、危惧している。
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by FurtwanglerCD | 2009-07-01 23:00 | 2009