フルトヴェングラーの同演異盤CDを探訪する


by Furtwanglercd
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d0135647_1322460.jpgフルトヴェングラー/ベルリン・フィル
1944.3.22/23

ベルリン 国立歌劇場でのライブ

フランス・フルトヴェングラー協会
SWF-901

返還テープ系音源。
かなりのステレオ・プレゼンスをつけている。
それでも不思議なことに、MELODIYA盤のようにマスクされた上にドンシャリのボテッとした音と音色ではない。
各々の楽器が密度のあるしっかりとした音色で鳴り、高低の分離も良い。
Vnの艶やかで伸びやかな音色と空間はベストであり、全体としてクオリティの高さがある。
フランス協会CDの中での成功例。

MELODIYAは、ドンシャリ音であり、米協会(日本コロンビア製)は、ハイカットローカットが強度で、かさついた音になってしまっている。

第1楽章の「大きく羽ばたく歌」。
第2楽章、テヌートの連続に、オーケストラの美しいサウンド。
第3楽章、緩急強弱の対比は極大で、独特であるが、作品の造形に根ざしたもので説得力がある。
第4楽章、Tiの打ち込みの凄さとピッコロの鋭さは古今当代随一ではないか。
第5楽章、生命力に富み、歌心に満ちている。第1主題の清らかなVn。
宇野功芳氏は第2主題のアッチェレランドは「猛烈で」、「縦の線が乱れすぎ格調を落とす」とのべているが、スーと引き込まれるようなギアチェンジなので、決して「猛烈」ということはないし、アンサンブルも大崩はしていない。その後の低弦の慈しむようなフレーズは、品位と品格を与えている(あるいは回復している)。

もっと高く評価されて然るべき演奏とCD。

Coupling
弦楽四重奏曲第13番第5楽章「カヴァティーナ」弦楽合奏版
(フルトヴェングラー編曲) 
ベルリン・フィル 1940.10.15
「田園」以上のステレオ・プレゼンスで一種異様なサウンドではあるが、厚みのある弦楽合奏に引き込まれてしまう。

レオノーレ第3番 ウィーン・フィル 1944.6.2
軽度なステレオ・プレゼンス?
DG、DELTAともに音が良い。
元々の音質が戦時中録音の中では最高に良い。「フルトヴェングラーは音が悪い」との誤解に反論できる音質の1枚。この音質も1944年とは思えないほどに鮮明である。
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by furtwanglercd | 2008-04-21 13:00 | Beethoven Sym.6
d0135647_1305111.jpgフルトヴェングラー/ウィーン・フィル
1951.10.22

シュトゥットガルト公演全演目
1.ハイドン Sym.88「V字」
2.ラヴェル スペイン狂詩曲
3.ブルックナー Sym.4

フルトヴェングラー・センター
WFHC-007/8

音が良い。ホールのドライな音響もわかるではないか。

1.ハイドン 「V字」
ウィーン・フィルの美音。アインザッツの不揃いはあるが、問題にはならない。
ベルリン・フィルとの音色やサウンドの違いを確認できる。
2.ラヴェル スペイン狂詩曲
色彩感と色艶のあるサウンド。単なる「スペイン情緒」ではなく、純音楽的に「スペイン的」で、音楽的品格のある名演とされて然るべき。
3.ブルックナー Sym.4
音源はDGと同じ、あるいはDGのLP製作用のコピー。
冒頭のホルンのミスは修正されている(その部分のみ音質が異なる)。
DGよりも生々しく臨場感ある音。
この演奏においても、各部分の造形に細心の注意が払われ、適正なテンポ設定が成されている。
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by furtwanglercd | 2008-04-18 12:50 | Brukner Sym.4
フルトヴェングラー/ウィーン・フィル

1945.1.28/29
ムジークフェラインでのライブ

GRANDSLAM
GS-2027

VOX LP盤起し。
原盤のクオリティが良いのだろう。音は良い。
が、響きは硬く、高低の音色差も少ない。
ダイナミックレンジも抑えられているようで、最強音の凄さはなく抑制されている。
当盤の後に、VENEZIA V-1018を聴くと、
後者の音のふくよかさと潤いある豊かさ、生々しい空気感、Vnの高音の浮揚感、
高低の分離の良さと明瞭さ、最強音の凄さに圧倒される。
V-1018は、この演奏を語る際あまり話題にならないが、もっと評価されて然るべきだし、
この演奏を語る際に必ず耳を傾けるべきCDと言える。

同演異盤CDについては、
「フルトヴェングラー資料室」、
Classical CD Information & Reviews
を参照。
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by furtwanglercd | 2008-04-15 12:50 | Frank
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル

SERENADE
SEDR-2011(CD-R)

フルトヴェングラーによる2つの「第5」
1.1926年スタジオ録音
 (巨匠の同曲演奏の初録音)
2.1943年6月

当CD-Rは廃盤のため入手不可能であるが、この度、ご厚意で聴かせていただいた。

1926年の「第5」。
演奏及び日本フルトヴェングラー協会盤についてはこちら。

ポリドール SP盤起し。
(写真は、TAHRA FURT-1090/93付録のCD-ROMより転載)。

若き巨匠のエネルギッシュさと明瞭に描き出される各フレーズの格調の高さと気品ある美しさ。
「最高のベルリン・フィルの音色」のすばらしさ。
全編に渡る、Vnの高音の夢幻的な浮揚する音色の良さ。

第1楽章第2主題の夢見るようなVnのレガートの心地よさ。
第2楽章Vcの明るく黄金色に輝くかの音色。
第3楽章、地鳴りのように轟くVc・DBと、澄んだVnの高音の対話。
第4楽章、無重力状態にいざなうVnの高音の抜けの良さ。

1943年6月の「第5」。
メロディア ピンクレーベルLP盤起し。
実直で自然な音。
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by furtwanglercd | 2008-04-09 23:33 | Beethoven Sym.5
d0135647_17404116.jpg第2、3幕(第1幕は紛失)

フルトヴェングラー/
ベルリン国立歌劇場管
1947.10.3
アドミラル・パラストでのライブ

トリスタン:ズートハウス
イゾルデ:シュリーター
クルヴェナール:プロハスカ
ブランゲーネ:クローゼ
マルケ王:フリック
牧童:ヴィッティング


FONIT CETRA
CDE-1046/7
(国内盤 KICC-7150/1)

第2幕 70’30(フランス協会盤は71’58)
第3幕 73’42(同 75’38)
ピッチは高いかもしれない。

まずは、音が良い。中程度のステレオ・プレゼンスであるが、団子状態にならず、高低の分離が良い。高域は煌き、無重量状態にいざなう音色であり、低域は生々しくリアルである。1947年という年代や場所の制約を考えれば驚異的に良い録音といえる。

イゾルデ役のシュリーターは、ジョン・アードイン「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」でも指摘されているように、「音程が不安定」な箇所も多い。第2幕の二重唱は良いものの、第3幕ラストの「愛の死」は、さすがに疲れたのか(ピッチの高さもある?)、半音上ずって聴こえるかもしれない。
ズートハウスのトリスタンは、後のスタジオ録音同様安定した歌唱。クルヴェナールにプロハスカ(マイスタージンガーではザックス)というのが凄いキャストで、時にトリスタン以上に威厳と張りのある声が見事すぎる。キャストの中ではプロハスカが一番良いと思われる。

巨匠の戦後初のオペラ公演。
オーケストラは巨匠の薫陶を受け、緩急強弱のダイナミックな移行を事もなげに成し遂げている。幾重にも押し寄せるクレッシェンドの凄さ。弱音部の意味のあるピアニシモの深遠さなど、楽劇ではなく、声楽付のシンフォニーのようにも聴ける醍醐味がある。
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by FurtwanglerCD | 2008-04-02 17:41 | Wagner
d0135647_12524618.jpgベートーヴェン:「合唱」

フルトヴェングラー/
フィルハーモニア管弦楽団

1954.8.22
ルツェルンでのライブ

フルトヴェングラー・センター
WFHC-015

柔らかなアナログ的な音質。
金管がオンマイクな録音なので、他CDではバランスの悪さが目立ったが、
音の柔らかさで、緩和されている。
デニス・ブレインを初めとする金管セクションの巧さや、
4人のソリストの各々の歌唱が、引き立つ音である。

同演異盤CD比較
1.HUNT
2.日本CETRA K35Y41 ピッチが高い △
3.KING(SEVENSEAS) 臨場感ある音 〇
4.TAHRA FURT-1003 強度のエコーと不自然な位相 ×
5.TAHRA FURT-1054/57
  ノイズリダクションによる音色の漂白化 ×
6.OTAKEN 高域は乾いた音 〇
7.フルトヴェングラー センター
  アナログ的で自然な上質の音 ☆
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by FurtwanglerCD | 2008-04-01 12:50 | Beethoven Sym.9