フルトヴェングラーの同演異盤CDを探訪する


by Furtwanglercd
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d0135647_1691966.jpg日本フルトヴェングラー協会
WFJ-63/64

1954.5.15
ルガーノでのライブ全演目

1.ベートーヴェン「田園」
2.モーツァルト ピアノ協奏曲第20番 ピアノ:ルフェビュール
3.R.シュトラウス 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」

1.ベートーヴェン「田園」
タイム表記は、12’41 14’05 5’57 4’13 8’13 であるが、誤植で、
実際は、12’20 14’05 5’57 4’13 9’17(9’03+拍手)である。
horaboya氏は、LPのK17C-9414と、ERMITAGE ERM 120(12'36 14'25 5'56 4'12 8'55)を、比較して、後者はピッチが正常なのに対し(しかし、音質は「低音域がカットされていてコントラバスがないみたいだ」としている)、前者は第5楽章のピッチが半音高く、第1楽章も「充分高い」としている。
さらに第3楽章リピート部はホルンの吹き損じが2回とも同じことから、編集されていることを指摘している
(http://horaboya.hp.infoseek.co.jp/Etc./pastoral.html)。

今回の協会盤。モーツァルトは、協会LP(NA96)盤起しとの記載があるが、「田園」、「ティル」の音源の記載はない。
第1、第2楽章はスクラッチノイズがあり、盤起しのようだ。第3楽章からは音質が変わり、スクラッチノイズもない。テープ音源と推測される。テープ音源はKING、ERMITAGEともに第1楽章冒頭に難があり、そのための策ではないだろうか。
上記ERMITAGEとのタイム差からすると、若干ピッチは高いのだろうか?
第3楽章はやはり編集されているが、これは音源がみな編集されているのだろう。

全体に、音は柔らかく、Vnの高域は光彩がある。低域は密度があり引き締まった音色。
現在入手できるCDの中では最良。
演奏は、第1、第2楽章は温かさ、優しさ、慈愛に満ちている。一転、第5楽章は歓喜の欄舞。

2.モーツァルト ピアノ協奏曲第20番
協会LP(NA96)盤起しと記載。
盤起しでは、DELTA DCCA-0025との比較になる。それよりも入力レベル、音圧ともに高く、骨太の音。強音部は迫力過多に聴こえる面もある。盤起しとしては良好で、
同演異盤ベストは東芝TOCE-6068であるが、それに次ぐものと言えるだろう。
それにしても、当録音の音は良い。巨匠のライブの中では音の良い部類に入る。音の悪さは皆無で、音の古さも感じさせない。現在でも十二分に通用する音と思う。
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by furtwanglercd | 2008-07-29 23:08 | Beethoven Sym.6
d0135647_20544351.jpgフルトヴェングラー/ウィーン・フィル
1947.11.10-17

SP録音

WING
WCD-200

ケンレコードが日本フルトヴェングラー協会と提携してのグレードアップシリーズ第1弾。
HMVのSP盤起しで、原盤はWFJ-55と同様。
WFJ-55のSP盤繋ぎ目の粗さなどを改良している。
日本フルトヴェングラー協会会報No.79(先回)には、
「平田治義氏所有のHMV7枚のSPアルバムをオルトフォン・カートリッジCG-25Dで直接デジタル化し、それを現技術で完璧に編集」と紹介されていた。
WFJ-55よりもすっきりとした(穏やかで落ち着いた)見通しの良い音。高域はより浮揚する音色であり、低域は解像度が高く明晰になっているのではないだろうか。
協会会員向けではなく一般向けにも市販されているので入手しやすい。
解説に「1947年のSP盤が、フルトヴェングラーのエロイカの原点として輝き続けるべき」とあるが、そのことを可能にしたCDと言える。
抑制された構成美の中で、各楽章の雄大なクライマックスが築き上げられる様は実に感動的。
マイリスニングルームで、M.N様製作の真空管アンプ&スピーカーから出てくる音は、当然SPノイズはあるが、その音色はほれぼれとするほど美しいウィーン・フィルのサウンドであり、巨匠の録音の内、音の良いものに上げたいと思えるものだ。

カップリングの、「皇帝円舞曲」。
「藤森朗氏提供のSP盤を村岡輝雄博士の開発技術によりスクラッチノイズを低減」 。
WFJ-57もすばらしい音色であるが、それよりもSPノイズは低減され、見通しの良い、明瞭な音色になっている。

次回は、日本フルトヴェングラー協会最新刊の「ルガーノ・ライブ」。
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by furtwanglerCD | 2008-07-26 21:00 | Beethoven Sym.3
d0135647_17315553.jpgブラームス:交響曲第4番
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
1949.6.10
ヴィースバーデンでのライブ

KING
KICC-2113

当演奏の原体験は中学2年の時。日曜朝のNHK-FM 吉田秀和氏の番組(Mさんは1978年か79年と述べている)で流されたものをエアチェックし、演奏そのものはよくわからなかったが、何度も聴いたものだ。
だから、「ブラームスの4番」と言うと、当演奏と、「ティタニア・パラストのブラ4」が個人的には規範演奏となっている。

Mさんも次のように述べている。
「僕もその吉田秀和さんの日曜朝のFM番組で、ヴィースバーデンのブラ4を初めて聞いて衝撃を受けました。吉田さんの解説とともに、何度も何度もエアチェック・カセットをしばらく聞いていました。この演奏での曲の入りの深遠さを吉田さんにしては珍しく熱く語られたような記憶がずっと残っていて、今でもこれを聴くときは居ずまいを正し耳をそばだててしまいます。FM雑誌で調べてドイツ協会のLPが使われたことはわかったものの、当時は手に入れる術がなく悔しい思いをしました。ですから僕も原体験はFMのエア・チェックであり、LPでは翌年か翌々年のワルター協会の日本コロンビア盤で聞いていました。
キング盤CDはM&A音源ですから、日本コロンビアから2枚組でその時のコンサートを丸ごと納めたかたちで、LPフォーマットで出ていたのと同じです。元々デッド気味な音でしたが、もう少し音に厚みはあったと思います。送られてきたテープの世代差なのでしょうか?」

当演奏は、TAHRA、Elaboration、OTAKEN(CD-R)、独仏協会と聴いてきた。
デッドな音はどれも共通。それでも当KINGが、最も自然なサウンドで、昔日から耳に残っている音に最も近い。

日本フルトヴェングラー協会次回頒布は、ヴィースバーデンコンサート全プログラム。
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by furtwanglercd | 2008-07-23 23:31 | Brahms Sym.4
d0135647_17304881.jpgフルトヴェングラー/ベルリン・フィル
1952.12.7
ティタニア・パラストでのライブ

ドイツ・フルトヴェングラー協会
F666.848M-A
プライベート盤起しCD-R
製作 NS様

翌日12.8の演奏よりも、エネルギッシュで覇気がある。
念願かない、音質最上と言われる、ドイツ協会LPを、
プライベートCD-Rで聴くことができた。

ダイナミックレンジと音色と、当日演奏そのままのダイレクトな再現。
演奏そのものを実感できる、リアリティさと実在感に溢れている。

中央に木管がどっしりとすわり、扇方にせりだしてくるように弦が聴こえ、Tiと金管は奥から聴こえる。
当日の会場の臨場感と空気感がある(咳もリアル)。
同会場の、日本協会及びRVCのグレイト(1953.9.15)、
翌12月8日の同曲のRODOLPHEと同じ響きがし、これこそ同会場のサウンドだろう。

これに比較するとPALETTEでさえ、デベッとした音に聴こえる。
他CDはかさついていたり、デジタル的な無機的音色になっていたり、
NYTHOSは、絶えずアクセルが踏み込まれているような騒々しい音に改悪されていることも明確になるだろう。

日本フルトヴェングラー協会報2005年12月
関西支部例会報告の平田治義氏の文章では、
LPとして、
①ロココ RR-2050
②日本ワルター協会 OW-7818-BS 1979.11発売
③ドイツ協会 F666.848M-A 1979発売
④日本協会 WFJ-1 1984発売
CDとして、
⑤クラウン PALETTE PAL-1026 1987発売
の比較がなされている。
以下の通り。
「① 高音がきつく、音に膨らみが感じられない。
② ①とほぼ同じ。
③ 奥行き感、雰囲気等優れており、全体に柔らかみがある。音響のバランスが非常に良く、ティンパニ、木管、金管、当時のBPOの弦の音などが存分に再生されている。
④ ③と類似の音で、これも非常に良い。但し、僅かに硬さがあるかと思われた。明瞭度は極めて良かった。
⑤ CDとしては素晴らしいといえる。刺激のない音質であり、ロココ系と音源が異なると感じた。

③ これは見事な録音である。会場で受ける演奏の実像に近いものが、まざまざと身に迫ってくるのを感じない訳にはいかなかった。
この盤では、ウラニア盤での幾分細身の音質とは異なっていて、太めの堂々とした音の中に漂う美感と、弦のザクッと抉りの効いた響きが感じられるが、ここではこれらベルリン・フィルの威力がこの録音を通して再生音に乗り移っているところが何とも凄い。」

ドイツ協会LPないしは日本協会LP、そのものの盤越しも望む次第である。

演奏評は、「フルトヴェングラー鑑賞記」にて。
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by furtwanglercd | 2008-07-02 23:30 | Beethoven Sym.3