フルトヴェングラーの同演異盤CDを探訪する


by Furtwanglercd
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d0135647_131206.jpgベートーヴェン:Sym.1
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
1954.9.19
ティタニア・パラストでのライブ

KING KICC-2354

残されている音源の中で、巨匠最後のライブ録音。
ライブ一発で聴いても、繰り返し聴いても、当CDで聴くと、凄い演奏。

ジョン・アードインは、「第1楽章では勢いが衰え、全体として焦点も定まっていない」と述べている(「フルトヴェングラー・グレイトレコーディングス」が、参照されているCDが、M&AとTAHRAなので、音ゆえにそのような印象になるかもしれない。
当CDで聴けば、第1楽章、第4楽章のしっかりとしたフレージング、勢いと強靭なsfの縦横のダイナミクスの変化の大きさ、第3楽章からの熱気に満ちた高揚、全体を通して随所で弦楽器群を羽ばたかせるように大きく歌わせている点など、焦点の定まったエネルギッシュでスケールの大きな演奏であることがわかる。

ベートーヴェン:Sym.4、「エグモント」序曲
ウィーン・フィル
1953.9.4 ミュンヘン・ドイツ博物館でのライブ

「エグモント」の方が断然音が良いのはなぜか?
Sym.4、第1楽章提示部前の壮麗壮大なffは、NUOVAERA及びEMBLEMでは音量が絞り込まれているのだが、当CDではそのような絞り込みはないようだ。

以上、M様が音が良いということで譲ってくださったことに御礼致します。
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by FurtwanglerCD | 2009-07-16 12:59 | Beethoven Sym.
d0135647_12233783.jpgフルトヴェングラー/ウィーン・フィル
1951.10.22

フルトヴェングラー・センター
WFHC-007/8


最新の協会盤との比較で聴いてみた。
音が良い。
楽器の音がリアルで生々しい。
巨匠のライブ音源の中では音質特上の部類に入る。
木管1本1本の生々しさ。弦を弾く音もリアル。
最強音後のホールトーンや、終演後音が消えていく様もわかる(拍手はなし)。

当日最初のプログラムは、ハイドン Sym.88。
これも音が良い。
ウィーン・フィルの弦の響き。
第2楽章、Vc・DBの豊かさ。

こうした良音の後で、
TAHRA、MEMORIES、AUDITEを聴くと、
音の周りの空気感や情報を削ぎ落としてしまっているのがわかる。
音の豊かさと品の良さがなくなってしまっており、あまりに残念。
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by FurtwanglerCD | 2009-07-14 12:22 | Ravel
d0135647_17223857.jpg日本フルトヴェングラー協会
WFJ-73/74

フルトヴェングラー・コンダクツ・ラヴェル

ラヴェル
「ダフニスとクロエ」第2組曲
  ベルリン・フィル 1944.3.20-22
「スペイン狂詩曲」
  ウィーン・フィル 1951.1022
 同 トリノ・イタリア放響 1952.3.3
 高雅で感傷的なワルツ リハーサルと通し演奏
  ベルリン・フィル 1953.4.15,16
ドビュッシー
 「夜想曲」より「雲」、「祭り」 ベルリン・フィル 1951.5.1

ラヴェル
 「ボレロ」 トスカニーニ/NBC 1939

一番の聴き所は、「高雅で感傷的なワルツ」リハーサルと通し演奏。
テープ音源。
これまでのTAHRAは、全編、ピッチが高かった。今回はピッチが正常ということであり、音も良い。ゆったりとしたテンポと心地よいリズムで進められて行く。ちょっとしてヴィブラートが彩りをそえる。交響的なクレッシェンドとデクレッシェンドのダイナミズムの変化の大きさ。アリア的なカンタービレで甘美でとろけるような音色とフレージングの数々と魅力に溢れている。もっと高く評価され聴かれて然るべき演奏だと思う。

「ダフニスとクロエ」第2組曲
テープ音源。1944年にしては音が良い。当日の「田園」もこのくらいの音であればと思ってしまう。若干、リマスターで楽器の音が均質になっていると思われる。

「スペイン狂詩曲」 ウィーン・フィル
テープ音源。
センター盤が何もしていないそのままの音と思われるが、こちらは、低域が出すぎる嫌いががあり、手が加えられているようだ。

「スペイン狂詩曲」 トリノ
盤起し?CDはDELTAが初出。音は良い。客演ということで、巨匠は明瞭にタクトを振っているようで、曲の作りがよくわかる。オーケストラも懸命に応じており、ウィーン・フィル以上のヴィブラートを聴かせている点など、一聴に値する貴重な記録。

ドビュッシー 「夜想曲」より「雲」、「祭り」
盤起し? KICC-7096よりもワイドレンジは広くとられており、聴きやすい。
見事な演奏。

「当協会前会長・近衛秀麿先生は「ダフニスとクロエ」第2組曲とボレロをベルリン・フィルの定期で聴かれて、ドイツ人の演奏するフランス音楽に感銘し、特にフルトヴェングラーの「ボレロ」が素晴らしく、ピッコロ、ホルン、チェレスタが印象的だったと当協会の1971年5月3日・特別研究会(於・日本青年会館)で述懐(WFJ-25 トラック6)しています。」
とあるように、
巨匠のこれらの演奏はもっと高く評価され、聴かれてよいものだろう。
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by FurtwanglerCD | 2009-07-10 23:21 | Ravel
d0135647_17204615.jpgWING
WCD-202
フルトヴェングラー
2つのニ短調交響曲

1.シューマン:交響曲第4番
ベルリン・フィル 1953.5.18
16063LP(31776STS、31777STS、17.6.53)(10インチ、25cm)盤起し
+「第2世代」復刻によりノイズ軽減。

すばらしい音だ。
柔らかくしっとりとした音。洗練された音がダイレクトに響いてくる。これまではぼやけた寝ぼけた音を聴いていたのだ。
重厚明瞭な低域と、浮揚する妖艶な音色の高域。アッチェレランド部分の切れ込みの凄さ。そのままの迫力の迫真の音。

この演奏は、中学時代にエアチェックして以来、マイライブラリーから外れたことがない。DG OIBPのCDを購入したときに、音の細さに疑問を持ち、その後、満足できる音を求めて探訪することになった。
が、決定盤の登場で、安心して、演奏そのものに浸れることになった。

2.フランク:交響曲 ウィーン・フィル 1945.1.29表記
VOX LP(PL7230、Mat:XTV16004/5)盤起し
+第2世代技術によるノイズ軽減。

これも凄い。1945年録音なのに、音がすばらしく良い。
エンジニアノートに、「大きなノイズが無くなって現れてきたのはウィーン・フィルの明るい音色と緻密で優美な弦楽合奏、木管楽器やホルンの味わい深い響きであった。」
と述べられているが、その通りである。
柔らかく、美しい音で、これまでのCDからベールが外され、そのときの音がダイレクトに伝わってくるようだ。会場の座席にいるような迫真の音、楽器本来、当日本来の音であろう。
これほどまでに深く美しいサウンドであったのだ。

主な同演異盤CD
テープ系
1.フランス協会 SWF-902 ORF ワウあり。△
2.DG(日本) POCG-2340
 ワウをノイズリダクションで補正 SWF LP盤越し部分ありとのこと。△
3.KING KICC-2218 テープ+盤起しとのこと。 △
4.DG 474030 エミール・ベルリナー スタジオでのリマスター
 SWF LP盤起し部分あり。
POCG-2340より鮮明。○
5.DANTE ×
6.ARCHIPEL ×
盤起し系 いずれもVOX盤起し
7.MYTHOS NR-5005
 ダイナミックレンジ一定で強弱の幅が狭い ×
8.VENEZIA V-1018
 ふくよかで柔らかな音、色彩感ある高音 ☆
9.DELTA DCCA-0002
 8よりやや音は細い ☆
10.GRANDSLAM
 ダイナミックレンジ狭い、暗めの音 △
盤起し系 他
11.日本フルトヴェングラー協会 WFJ-44/45 JP-1128盤起し ×
盤起し+ノイズ軽減
12.WING WCD-202 ☆
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by FurtwanglerCD | 2009-07-06 23:20 | Schumann
d0135647_17383681.jpgフルトヴェングラー/ウィーン・フィル
1952.11.26-28

DELTA DCCA-0061
WALP-1060 (2XVH35-2、2XVH36-3)盤起し+「第2世代」技術によるノイズ軽減。

愛聴する名演であり、満足できる音を求めてきた演奏。

数年をかけて、テープ系及び盤起しの同演異盤20数枚を聴いてきた。
テープ系CDは音にベールがかけられてようでモコモコとしたぼやけた音だった。盤起しもスクラッチノイズが大きかったり、音に手が加えられて原盤と異なる音だったり、第1楽章のピッチが高かったり、決定盤がなかった。

このDELTA 「第2世代復刻」では、テープ系CDにかけられていたベールや曇りのようなものがなく、スカッとした
(各楽器の音に焦点のあった)爽快壮麗覇気ある迫真の音である。広い空間でたっぷりとした音が鳴り、会場の臨場感と空気感がある。音に込められた力とエネルギーがダイレクトに再現される。
単なるステジオ録音の安全運転ではなく、ライブのような気合気魂の注入された演奏であったことがわかる。
待った甲斐のある、名演奏の決定盤の登場。
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by FurtwanglerCD | 2009-07-03 23:30 | Beethoven Sym.3
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
RIAS録音集

AUDITE

聴き所及び音質比較

・ベートーヴェン 「英雄」 1950.6.20
15:58 17:33 6:16 12:09
フルトヴェングラーの同曲演奏中最速の演奏。迫力と推進力、エネルギッシュなトゥッティは凄く、ウラニア盤に匹敵する。
AUDITE、タイム表記からすると第1楽章のピッチは低めか?流れがやや損なわれている。ワイドレンジ、ダイナミックレンジともに広く、空間の中での音を感じられる。TAHRA FURT-1030やM&Aのようなモコモコしたこもった音ではなく演奏の良さは感じられる。
RVC LP盤越し(M様作成)、R32C-1091は、柔らかくふくよかで厚みのある音で、ホールトーンも十分。各楽器の音も鮮度が良く、ティタニア・パラストでの音は乾いた音ではなく、柔らかで温かさい音だったことがわかる。

・ベートーヴェン 「英雄」 1952.12.8
1950年演奏よりも落ち着きがある。しかしエネルギーが減退したわけではない。円熟完熟の名演。
AUDITE、1950年演奏よりも音が良いのは、マスターテープの録音が良いのだろう。
このセットの中では1954年の「第5」、「田園」と並んで音が良い。
が、楽器の音は均質化している。
第1楽章655小節(15:45あたり)のTrpのミスの修正は未確認(確認された方がおられましたらご教示ください)。
RODOLPHE RPV-32801、音はふくよか。各楽器の音が良い。ホールトーンも申し分なく、会場にいるかのような音。

・ベートーヴェン Sym.5&「田園」 1947.5.25
AUDITE、エコーなし。元々の録音を聴きやすくするために、音をかなり削り込んだようで、音の輪郭が細くシャープ。Vnの音はドライ。
日本CETRA K33Y-193、軽度なステレオプレゼンス。丸みのあるふくよかな音。楽器の音も良い。

・ベートーヴェン Sym.5&「田園」 1954.5.23
巨匠の晩年様式の落ち着きの中に、燃えるような熱狂と勢い、エネルギッシュさがある。ダイナミクスの極大な大きさと彫の深さとも相まって、スケール大きな名演となっている。
AUDITE、マスターテープの音は良いのだろう。ダイナミクスレンジは広く、迫力がある。音色は均質化。
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-12、ハイクオリティ過ぎて、比較不可能。

・シューベルト 「未完成」 1948.10.24
この曲にこれほどのスケールが求められているかわかならいが、とにかく極大なスケールと、緩急強弱高低の一大コントラストがある。
AUDITE、マスクされたような音でこもっている。演奏の外縁しかわからない。
PALETTE PAL-1073、演奏のすべてが入りきっている。曇ったところ、マスクされたところのない迫真の音。

・シューベルト 「ザ・グレイト」 1953.9.15
演奏はすばらしい。全編、気力とエネルギーが漲り、ライブならではの覇気と活気に溢れている。
AUDITE、録音の良さがわかり、音は良い。すっきりしているが、やはり音が細く、高域は窮屈。伸びやかさに欠ける。
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-13/14、RVC R32C-1093だと、そのあたりも含め、演奏と音のすべてが再現されるのだが。

・ブラームス Sym.3 1949.12.18
気宇壮大。スケール極大。
AUDITE、一聴にはよいが、音は細く味気ない。ドライな音。
ELECTROLA CZS 25 2321 2、音はまったく悪くない。豊かさとふくよかさがあり、高域の伸びはすばらしく、低域は重厚明瞭で、不足なし。

・ブラームス Sym.3 1954.4.27
晩年様式、渋く落ち着いた中での美しさと迫力。
AUDITE、1949年演奏よりも音は格段に良い。録音の良さがわかる。
DG423572-2と比べると、1949年演奏と同じことが言える。

・ブラームス Sym.4 1948.10.24
AUDITE、こもった音で、マスクされており歯切れが悪く、暗い音。演奏はわかるが、楽器の音がしない。ノイズカットで楽音と空間を削ぎ落としている。

・ブルックナー Sym.8 1949.3.15
AUDITE、明瞭であるが、ドライな音。特に低域は音は響くが、楽器の音はない。
KING KICC-2352、厚みのある豊かな音。

今回のAUDITEは、TAHRA、M&Aなどよりは、センスの良いリマスターであろう。リーズナブルだし、演奏によっては、演奏に浸れるものもある。
しかしながら、価格相応で、従来のCDに比べ、音は悪い。
巨匠の演奏と音に通じている人には、良さも悪さもわかるようである。
リマスターの安直化、劣悪化で、巨匠とそのオーケストラの音が低められているようで、危惧している。
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by FurtwanglerCD | 2009-07-01 23:00 | 2009