フルトヴェングラー 2009 リリースCD ベスト13
2009年 12月 01日
1.フランク:交響曲 ウィーン・フィル
1945.1.27 WING WCD-202
2.ベートーヴェン:「英雄」
ウィーン・フィル 1952.11
DELTA DCCA-0061
3.フランク:交響曲 ウィーン・フィル
1953.12 WING WCD-203
4.ベートーヴェン:交響曲第5番
ベルリン・フィル 1943.6 WING WCD-203
5.シューマン:交響曲第4番 ベルリン・フィル 1953.5 WING WCD-202
6.ブルックナー:交響曲第5番 ウィーン・フィル 1951.8.19
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-75/76
7.ベートーヴェン:「合唱」ウィーン・フィル1953.5.30
DREAMLIFE RIPD-0003
8.ブルックナー:交響曲第4番 ウィーン・フィル 1951.10.22
フルトヴェングラー・センター WFHC-018/20
9.バッハ:マタイ受難曲 ウィーン・フィル
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-69/70
10.ワーグナー:管弦楽曲集
日本フルトヴェングラー協会 WFJ-68
11.ベートーヴェン:「合唱」 バイロイト 1954.8.9
フルトヴェングラー・センターWFHC-001/2R
12.「コンダクツ・ラヴェル」 日本フルトヴェングラー協会 WFJ-73/74
13.ブラームス:「ドイツ・レクイエム」
フルトヴェングラー・センター WFHC-016/17
1と2、どちらを1位にするか迷うところであるが、欠落部分や音飛び部分を、完璧な仕方で修復しているその作業量の多さを考慮した。
2もすばらしい音で、煌くVnの美しさと、温厚明瞭明晰なVc・DBは、従来CDの音を遥かに凌駕する。
1から5まで、いわゆる「第2世代」復刻(盤起し+エンジニアの緻密な作業によるノイズ軽減)の音のすばらしさが際立っていた。
圧巻は、1の1945年のフランク。今年10月発売のVOXオリジナルテープ復刻と銘打ちながらもモコモコと曇りがかった音の某レーベルCDとは雲泥の差。
VOX LPの奥に潜んでいた音をそのまま取り出したような鮮明な音に圧倒される。
第2楽章欠落部の修復も全く違和感がない。これこそ品格と感性を備え、そして「フルトヴェングラーの音」を究めた職人+研究者エンジニアの成果だ。すばらしいエンジニアに拍手。
2も同様。これまでのCDではベールのかけられたようなこもった音を聴いていたのだ。その曇りがとれて、巨匠がオーケストラに託した本来の音と音色が浮かび上がってくる。スタジオ録音ならではの確固とした造形の土台のもとに、ライブのような感興とパッションがほとばしる。本来の演奏はこれほどまでにすばらしいものであったのだ。
1から5まで、「第2世代」復刻の音の優位性は、ここ数年で認識されてきたが、今年はその優位性をさらに決定付けることになった。
EMI系のベートーヴェン交響曲全集は、「英雄」、「第5」、「バイロイトの第9」が第2世代復刻でCDではベストの音で聴けるようになっている。音の良くない「第2」、「第8」、を除き、「第1」、「第4」、「田園」、「第7」を第2世代復刻で聴きたいと願う。
2008年