フルトヴェングラー ザ・グレートEMIレコーディングス
2011年 01月 24日
ウィーン・フィル
1950.1.18,19
NS氏コメント
「新発見の録音時セッションテープの可能性はゼロで、従来のLPやCD製作用の
テープから再度製作した再発CDでまちがいありません。
低域も高域も少し持ち上げてメリハリを考えている模様。
不思議に思うのは元のSP面替わりのつなぎ部分と思われるところの処理が拙いということです。いくつかのところで確認できます。
いずれもCD3のトラック5-8です。
① 第一楽章 4:37:23付近 直後の管楽器(ピッコロ?)の歌い出しがごくわずかに遅い
② 同 7:04:08付近 休符がごくわずか長く聴こえる
③ 第三楽章 4:01:11付近 直後の低弦合奏が突然大きな音になって不自然
④ 第四楽章 3:40:20付近 休止がLHMV1008にくらべてわずかに長く違和感あり
EMIのエンジニアとは到底思えないような手際の悪さです。マスターテープのつなぎなおしをやっている可能性がありますがそれにしては音質の改善がないので不思議です。劣化しているか、つなぎなおしたように見せかけているか分かりません。
また導入部、終結以降にわずかなノイズを残しているのも特徴です。元のテープらしさをアピールするためかもしれません。従来の東芝やEMI系のCDではスパッと始まってスパッと無音になっています。
全体の印象では録音会場の雰囲気や指揮者、奏者の存在感がほとんど感じられず音だけが出てくるといったCDです。LHMV1008やそれを忠実に復刻したDCCA0072では少し派手で中高域にクセも感じられますが雰囲気や録音現場に漂うそわそわした気分、音楽の躍動感がひしひしと感じられます。」