ベートーヴェン:「合唱」 1953.5.30 and 31
2011年 04月 26日
フルトヴェングラー・センター
WFHC-025/26
CD1
1953.5.31表記。
5.30表記のDREAMLIFEと同一演奏
(5.30、31の編集との説もあり)。
5.30表記のDG及びその系列の演奏とは異なる。
CD2
5.30表記
ドイツ・フルトヴェングラー協会 LP(F669 056/57)盤起し。
DG及びその系列と同一演奏。
5月29、30日は各1回、31日はウィーン音楽祭週間開会演奏会で昼夜2回の「第9」演奏会が行われた。
オルセンの資料では、30日はオーストリア放送協会(ORF)で放送、31日の放送は?となっている。
一方、ORFには、31日録音と表記(昼夜2回のどちらかは明記なし)された録音が残されており、そのORFのアーカイブから提供された音源(オープンリールテープ)からのCD化。
会報には、DREAMLIFE盤との音質比較として、「既発の個人試聴用に限定した作成されたCD-Rを音源に使った未公認のCD/LPとの音質の違いは明白で、音の厚み、奥行き、臨場感等全体に良質のものに仕上がった」と述べられている。
マイクの位置がシンバルの前らしく、ラストのシンバルの音が大きい。
入力レベルが低いのか、迫力はそれほど感じられない、穏やかな(静かな)音。
音は明瞭で、この演奏のマーカーとなる(DG系の演奏にはない)第1楽章295-296小節(再現部になだれ込む前)のTiの4音は、DREAMLIFE盤ではTiの音とは思えずデジタル的に追加したのではと揶揄されていたが、当盤では、明瞭にTiの音として鳴っている。
DG系の演奏の方が、各フレーズの彫は深く、スムーズで、より直情的、劇的である。
DREAMLIFE及びセンター盤の演奏は、第1楽章冒頭、第2楽章Molto vivace部の弦、第3楽章全体、第4楽章冒頭、フーガ部など、こなれておらず安全運転で、神妙に1音1音を置いていく感がある。第2楽章のたたみかける部分の迫力、推進力はいつも通り。
第2楽章 415小節(トリオに入る前)、一瞬の異音あり。
DREAMLIFE 422小節の咳はない。
Molto vivace再現部、8:19あたりの咳はあり。
CD2
ドイツ・フルトヴェングラー協会 LP(F669 056/57)盤起し。
DG及びその系列と同一演奏。
日本フルトヴェングラー協会WFJ-10/11には及ばないものの、HUNT CD-532、
NUOVAERA 013 6301よりも鮮度の良い鮮明で自然な音。
DG、ALTUSでは、弦の音が小さく、しかも乾いた音なので、これらで聴きたい。