1950.1.18,19
ムジークフェラインでのスタジオ録音
RX-58
米VICTOR LHMV-1008盤起し
最高の盤起しである。
各楽器の音色が、温かな音色で再現される。
高貴で確かな低域、浮揚する高域、と豊かな光彩を放つ音色。
指揮者が各楽器に託した意図が明瞭に浮かび上がってくる。
録音とLP化はこのように成功だったのだ。
提供元のNさんは、
「温かみと麗しい音色。弦の伸びが良く、フォルテでも歪まない。これで聴くと最高の美演と感じる。」
と述べておられる。
見事な盤起し。
これと比べると、最近のTOCE-55975/80のリマスターは何とお粗末なことか。
フルトヴェングラーの復刻製作元や、リマスター担当者には、是非、耳を傾けていただいて、研究していただきたい1枚。
SP盤起しベストは、日本フルトヴェングラー協会盤(ピッチが低いが)。
テープ系ベストは、TOCE-7530/4。
(P)フルトヴェングラー
(Vn)ボスコフスキー
(Fl)ニーダーマイアー
1950.8.31
ザルツブルク音楽祭でのライブ
RX-84
ワルター協会LP盤起し
収録は、第5番、第3番の順。
音が良い。EMI及び東芝(HS-2088リマスター)のエアチェック音の貧弱さと比べるとすこぶる音が良い。
これも盤起しの手本である。
第3番は、冒頭の典雅なフレージングから別世界にいざなわれる。
第5番では、フルトヴェングラーがピアノを弾いている。そのカデンツァは癒し系である。
ジョン・アードイン「フルトヴェングラー グレイトレコーディングス」
「(フルトヴェングラーのカデントツァは)静かに弾き始め、大きくリタルダンドをかけて休止する。ペダルを思う存分用いて雄大でロマンティックなカデンツァであり、ブラームスのニ長調協奏曲の緩徐楽章をおおっているあの静謐さにも通じるものがある。
第1楽章前半は、通奏低音のうちオクターブ低い仕方でしばしば通奏しており、左手で和音をつけかえている部分もある。1、2個余計なトリルがある。40年のウィーン・フィルに比べると飾りを廃し(ている)。」
1945.1.28
ムジークフェラインでのライブ
RX-76
日本ワルター協会(日本コロンビア製)
OB-7289~92-BS 盤起し
すばらしい盤起し。盤越しの理想の姿がここにある。
ムジークフェラインに響くウィーン・フィルの 色彩ある音色が再現される。
これほどまでに音は豊かで、音色には光彩があるのだ。
同演異盤比較 主なCD
1.NUOVA ERA ◎
2.仏フ協会 △
3.DG POCG-2341 ◎
4.DG ウィーン・フィル創立150周年記念ヴァージョン ×
5.DG 474030-2 6枚組 ×
6.ARCHIPEL ×
7.日フ協会 協会LP盤起し △
8.RX-76 ワルター協会LP盤起し ☆
MB-4601(CD-R)
1952年11月30日
ムジークフェラインでの
ライブ全演目収録
(提供 M様)
1952年7月、ザルツブルク音楽祭での「フィガロ」リハーサル中に倒れ(肺炎)、その後、静養。
11月24日より、「田園」、「第1番」、「英雄」のEMIへのレコーディング。
11月29日、ムジークフェラインでの演奏会にて復帰。
翌日の全曲公演。
当日のプログラム
1.ベートーヴェン 交響曲第1番
2.マーラー 「さすらう若人の歌」
3.ベートーヴェン 「英雄」
「英雄」の演奏。
その前のレコーディングで完成された型に、ライブならではの即興的な要素による柔軟なテンポ変化と、熱気とが相まって、引き込まれる演奏となっている。
ウィーン・フィルの弦楽器群の柔らかなサウンドはすばらしい。
当CD-R
当レーベルは板起し専門と思いきや、これはテープ音源。
Mさんは、「NUOVAERAよりも世代の新しいテープ音源」と推測しておられる。
音はふくよかで、ウィーン・フィルの色艶の良い音色が聴ける。
御茶ノ水ハーモニーの旧店舗には、当レーベルものが1枚3500円、2枚組7000円で眠っていたのだが、移転及び閉店後はどうなったのだろうか。
同演異盤CD
1.VENEZIA 高域がキンキンする △
2.NUOVA ERA ◎
3.MUSIC&BRIDGE(CD-R) ○
4.TAHRA ドライな線 ×
5.ALTUS 放送音 ×